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癌総合知の勧め6

2021/07/05

癌の食餌療法について、欧米には多数ありますが、

日本人の論文がほとんどないのが残念でした。

人種差や食事文化の違いが顕著ですから、

一概に海外の文献を良しとするわけにはいきませんし、

保守的な日本の医師は、癌の食餌療法自体を認めません。

 

 ところが、最近、和食と胃癌・結腸癌・直腸癌についての研究発表がなされました。

それぞれ、1931名、793名、510名の患者について、東北大学などの研究者が、

癌診断前の食餌傾向と、診断後の死亡との関係を調べました。

胃癌患者では、大豆摂取頻度が高かった人は、最低摂取頻度のひとに比べ、胃癌死亡率が37%減でした。

また、結腸癌と直腸癌患者では、海藻摂取頻度が高い人は癌死亡リスクが有意に低かったのです。

 

 これは癌の食餌療法のデータではなく、診断前の食餌傾向との相関を見ているのですが、

それでも、かなり参考になります。

というのは、診断前の食生活は診断後も継続しやすいからです。

 

 私が外来で常日頃申し上げているように、どんな癌でも、基本的に和食がお勧めだということです。

和食は世界一の長寿食ですから、癌の食餌療法としても有効であるのは納得できます。

菜食やケトン食(断糖食)を否定しませんが、研究レベルでは、良好な結果は出ていません。

ヘルシーで、継続性があり、かつ美味である和食に軍配を上げたくなります。

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