先日、高松市で開かれた日本精神身体医学会で講演する機会があり、1泊で行ってきました。
予想以上に会場はガラガラ、大半はZOOMで参加でした。
精神身体医学(心身医学)とは、ストレスで体に起こる、あるいは悪化する病気を治す医学を指し、
例えば摂食障害で嘔吐を繰り返して痩せていく、などが心身症と診断されます。
脳が全身を支配していますから、持続的なストレスが体を悪くすることはかなりあります。
しかし医学部の心療内科講座は4つしかありません。精神科も神経科と称して似たようなことをやっているからです。
久しぶりに学会に出席して改めて確認できたのが「全人医療」という言葉です。
心身医学的に全人医療を解釈すると、いろんなことが見えてきます。
道元禅師が言った言葉で有名なのが、「身心一如」 という言葉です。
すなわち。身心は一体であるということです。
心が病むと体も病む、体が病むと心も病む、ということです。
癌や難病になると、体が病むことによって、しばしば心が病みますので要注意です。
では、体を病んでも心が病まないようにするのはどうしたらいいのでしょうか。
私の考えでは、欧米式に前向きな発想になると言っても難しいので、
あるがままで(東洋思想)、日常生活の他愛もないことに没頭することに心掛けることが大切なように思います。
あまり暇すぎても、悪いことを連想しやすいかもしれません。
マルチン・ルターが言ったという、
「私は最後の日もリンゴの木を植える」
を、私もモットーにしたいと願っています。