先日、久しぶりにTVドラマ「白い巨塔」を見ました。
1965年に発行された、山崎豊子原作の大学病院を中心とした医療界の内幕が暴露される話ですが、
恐らく、今も本質は変わっていないのだろうなぁ、と思いながら見ました。
医師同士の会話の中で「自分のために患者を治す医者」と、「患者のために患者を治す医者がいる」という指摘があり、
なるほどなぁ、と考えさせられました。
あるシーンで、いつも誠実で患者側に立つ里見医師が、
「医療は人間の祈りだ。神を畏れ、神を祈るような敬虔な心で、患者の生命と尊厳を守る。それができないなら、医療に携わる事は許されないと学んだし、信じてきたはずだ。違うか?」
と、かつて同級生だった野心家・財前教授に言ったのが、極めて感動的でした。
まさに、ここに医療の本質が表現されています。
原作にはない格調高い表現です。
当院の患者さんは、癌・難病の方が多く、一筋縄では治りませんが、
我々医療者は、いつも敬虔な気持ちで患者さんと対峙したいと、
改めて思いました。