癌細胞のミトコンドリアがおかしい
正常細胞が癌細胞になるのは、
まず最初に遺伝子に変異が起こるからだ!
というのが現在の定説です。(癌遺伝子説)
しかしそれでは説明できない現象が見つかっています。
それは、細胞の癌化には、細胞中のミトコンドリアの変化が先行していると思われる現象です。
ミトコンドリアとは、細胞中でATP(あらゆるエネルギーの元)を作る働きをしているもので、
これなしには、細胞は生存できないとさえ言えます。
そして近年、癌細胞内のミトコンドリアは、質が低下し数も減っているということがわかってきました。
この情報から、癌細胞中の遺伝子の変異が先行するのではなく、
まず細胞のミトコンドリアが変性し始めて、次の細胞の突然変異を招いているのではないか、
ということが強く疑われるようになってきているのです。
つまり、ミトコンドリアの質を高く保つことが出来れば、癌予防になるということです。
そしてすでに癌になっていても、癌細胞の増殖を阻止できる可能性が出てきます。
これが癌ミトコンドリア説です。
癌の総合知を強めるためには、まず癌細胞の成り立ちを理解し、
その上で細胞レベルでの対応が必要となります。
突然変異は不可抗力ですが、ミトコンドリアの機能調節は人為的に可能です。
つまり癌細胞の発生や進展に関して希望が持てるのです。
以下次号・・・