癌関連遺伝子の変化
前回、細胞中のミトコンドリアの変化がまず起きて、
次に癌関連遺伝子が変化することをお話ししました。
1個の細胞の核の中に、総計60億の塩基情報を持つ遺伝子は、
あまりにも数が多いためにコピーミスが起こることがあります。これが突然変異です!
これは、外界の化学物質、紫外線、放射線、ウイルスなどによって容易に起こります。
もしも突然変異が起きても、二重らせん構造からなる遺伝子は、
小さいミスなら1つの欠失が何かすぐにわかるので、
普段のDNA修復遺伝子が直ちに完璧に修復します。
しかし、地震の修復能力を超えた障害が起こると、
次にあげるような困った事態が生じます。
1.発癌遺伝子(癌のアクセル)の暴走
・細胞の中に細胞の増殖を促している遺伝子があり、この中の発癌遺伝子といわれる遺伝子に変異が起きたままになるとこの細胞がコントロールを失い活性化して、正常細胞が癌細胞になります。発癌遺伝子は数十種類発見されています。
2.癌抑制遺伝子(癌ブレーキ)の故障
・体には、細胞増殖を抑える遺伝子が存在しますが、その中に癌になりにくいように、抑制している遺伝子があります。これを癌抑制遺伝子といいます。これに突然変異が起きることで、癌細胞を抑制できなくなり、癌になりやすくなります。癌抑制遺伝子も数十種類見つかっています。
普通の細胞の遺伝子に突然変異が起きても、癌は起こりません。
癌は基本的に、発癌遺伝子の変異だけでも発生しますが、
癌抑制遺伝子の変異によって、余計に癌になりやすくなると言えます。
次号は、癌抑制遺伝子をどのように増やしていけばいいのかをお伝えしましょう。